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2007年09月

metro（後編）

孤居を出、長いトンネルを抜けると電気街であった。

雑踏を掻き分けて進む私の前に、派手な黄色の看板が見えてきた。「TRADER」二号店だった。レゲーを取り扱う3Fは、買い取り所が併設されているためか、はたまた情熱的な中年が屯するためか、妙な熱気が立ち込める。特に長居する用もなかったので「リンクの冒険」を500円で購入し店を出た。電気街はすっかり橙に染まり、私の旅路を大いに盛り上げた。心地よい疲労感を覚えつつ、私は最後の店へと向かった。

秋葉原ニューセンターガード下に「DSタイム」はある。「ゲームセンターCX」の第四シーズンで有野課長が訪れたことでも有名だが、特にVBユーザーは是非一度脚を運んで欲しい。（入手困難ソフトを除き）殆どのVBソフトが新品で、しかも他店の1〜2割引き程度で買えるのは恐らく此処だけであろう。今回は「ギャラクティックピンボール」を600円で購入した。遂に「プレイ用」と「保存用」が手元に揃ってしまったのが恐ろしい。

妙に密度の濃い半日だった。趣味に走りまくった充実感と、大切な何かを失った空虚感を一度に得た私は、静かに改札をくぐった。

metro（中編）

孤居を出、長いトンネルを抜けると電気街であった。

大音量で響き渡る矩形波の音色に誘われ、「スーパーポテト」4Fへと入った。敷き詰められた攻略本や液晶ゲーム機はとても手が出る値段ではなく、私は暫くウィンドウショッピングを余儀なくされた。痺れを切らした私が、新品200円のポケットカメラを見つけてから買うまで、そう時間は要しなかった。ふと気がつくと、DS版発売のための条件は揃っていたポケットカメラ。「遠くない将来、発表があるに違いない。」と一切の根拠無しに待ち望んでしまうのは、マニア故の悲しい性なのだろうか。

良い機会なので、レゲーのテーブル筐体が並ぶ5Fも覗いた。「熱血硬派くにおくん」や「ソロモンの鍵」等、一人でじっくり連コインして遊べる物も多い。一つ私も腕前を披露しようかとも考えたが、客の8割以上がリアル世代であることを考え、自粛した。薄暗い店内にぼーっと映るパターン画の横で、煙を吹かす昔の少年達は、何を思い何を見ているのだろう。ビルを出た私は再び中央通りへと進んだ。

metro（前編）

孤居を出、長いトンネルを抜けると電気街であった。

明日からまたバイト、遠出するなら今日か。その思いが私の脚を動かした。この日東京は最高気温34℃を記録し、九月も半ばだというのに殺人的な猛暑。しかし地図を片手に汗を拭う私は、不思議と気持ちが高揚していた。一軒目のお店は「スーパーポテト」。圧倒的な品揃えが魅力で、こと裸カセッツ・VBソフトに関しては他店に比べ頭一つ抜きん出ている印象を受けた。価格設定はやや高めか。

店内に「VBワリオランド アワゾンの秘宝」の試遊台が設置されていたが、延べ5分間に渡る脳内会議の末、「大人な対応でやり過ごす」ことにした。因みに販売価格は8400円（新品）、財布の紐は緩む素振りすら見せず、バッグへと戻った。VBコンプへの道は長く険しい。突き付けられた現実に怯みつつ、私は階段を上った

うれしゅうございます

遂にDQ�気鬟�リア。親友の家で初めてDQ�気某┐�「そうか、コレは敵から逃げるゲームなんだな。」と誤解し、ドムドーラの町まで歩くも即死。「何てバランスの悪いゲームだ。」と怒り心頭で乱暴に電源を切った小学生の頃の俺よ。遂にお兄さんはやったぞ。結局、「しにがみのきし」とは（強そうだし）一度も戦闘しなかったけど、どうにかやり遂げた。
俺にDQを教えてくれた親友Tよ、君に遅れること8年、ようやく竜王を倒したよ。休日遊びに行くといつも「さんまの名探偵」をやっていたね。スーパーゲームボーイ引っ張り出して、初代ポケモンの「どうぐセレクトバグ」だけで半年は楽しめたのが昔の俺達なんだよな。今の子供達は、なみのりを使って壁にハマっただけで狼狽するから困る。

ふっかつのじゅもん：「ゆてさぎつ　けづぐじじぎご　ねずびまと　なぢす」

聖地巡礼の旅

聖地とは何処か。秋葉原…否、中野である！という訳でセル画から古書まで幅広く揃うビル、中野ブロードウェイに来たよ。当時5000円で買った「ステルスレイダー」が1500円で売ってることに涙しつつ、お目当ての店に到着。ショーケースに並ぶG&Wの数々が眩しい。「スキッシュ」とか「トロピカルフィッシュ」の箱説付きなんて初めて見たよ。恍惚の表情でガラス越しに眺めていると、目の前でオッサンが「G&W ドンキーコングJr.（箱説無し）」を4000円でお買い上げ。僕を養子にして下さい。
銀箱の一つでも土産に買おうと鼻息を荒くして来たのに、低賃金労働者の俺を嘲笑うかのような強気な価格設定消費者金融にはまだ駆け込みたくない遠藤は、攻略本を二三、小脇に抱えてレジへと向かったんだ。

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取り越し苦労

「夏休み中にロト三部作をクリアする」という目標は達成出来そうにないので、一番時間のかからないと踏んだDQ�気鮖呂瓩討澆拭�順調にLvも上がり、今では「おおさそり」も尻尾を巻いて逃げ出すほどにまで成長。（さそりだけに。）　「ゴールドマン」狩りに精を出し続けた結果、ほどほどに懐が温かくなった勇者「る」は、更なる装備を調えるため「メルキド」へ向かうことを決意。しかし三分の二ほど進んだ所で、「キラーリカント」が出現、3連続「にげる」に失敗し他界。享年Lv.13。
有り余った時間を経験値稼ぎに捧げ、より一層打たれ強くなった勇者は再び「メルキド」への旅を敢行。「トヘロス」を唱え体力の温存を計ったことが功を奏し、無事に到着。早速、武器を買いに行くかと思いきや念願叶った嬉しさからか、ご機嫌な勇者「る」は、その足で周囲をバリア地帯（1歩ごとに-15ダメージ）で囲まれた長老への接近を試みるも、数歩届かず永眠。享年Lv.15。
あと二週間で終わるのだろうか…。

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